【志】
言葉を失い
どれ程の時を経たのか

時を感じさせる肌を
無防備に曝け出し
繰り返される日々を
無意識の内過ごし
来訪者からの視線を
無遠慮に受尽くし

言葉を失えど
まだここにあらんとする
その意志はありありと
存在を以て
媒体を通じ
多くの心に訴えかける

揺らぐことなき


【肢】



道は見えている

中央の一本のみか

それとも左右の道を合わせての
3択の自由か

それとも

全てを纏めた
一つの大きな道か

いつのまにか
進み方を
自身で縛ってはいないだろうか







【歩】

嗚呼

耳に入る音は
この様に澄んでいたのか

一歩
自身を向わせればいい

余裕無く
視界に溺れ







一歩
外れる気持を持てばいい

何故この音が
澄んでいると感じたか

外れる事で
思い出す

それぞれの

私を







【懐】
流れゆく日々

過ぎ去りし想い

今を生きる人々


将来を夢見て

気がつけば
時は早く

振り返る過去

今は無き心

人生の黄昏

笑みを以て触れよう





【眺】
陽が沈み
灯が綻び始める

次々に黒の世界を彩り
青を借りていた海は
今は漆黒を纏い
恐怖すら纏う

灯を美しく思うのは
人がそこにいるという
安心からなのか
命の輝きからなのか

ただ漠然と眺め

光色は脳を焼き
想いが胸を詰めた


【址】
日々
軌跡が刻まれる

各々
目的を通すため

益々
往来を重ね

行々
意志を束ね

嬉々
時には漏れ

黙々
址を残した









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